『Citizenfour』(原題)
米アップル社が、銃乱射事件の容疑者が所有していたiPhoneのロック解除を拒否している問題が取りざたされている。
治安を守る立場と、個人のプライバシーを守る立場の違いでは妥協点は見出せそうにないが、アップル社がマスターキーを渡さないのにはスノーデンの事件も心のどこかにあるのではないか。
エドワード・ジョセフ・スノーデン、今では知らないものもいないではないかと思える元CIA局員。
事の経緯がニュースに流れていたのも記憶に遠くない。
これはスノーデンとローラ・ポイトラス監督や『ガーディアン』の記者たちとのやり取りを克明に捉えたドキュメンタリー映画。
ローラ・ポイトラス監督に匿名の人物から届いた一本のメールから始まる。
9.11以降、米国政府が行った無茶苦茶な情報収集の証拠を持っているという。
本作に取り掛かる次点で国家の行き過ぎた管理主義を題材に考えていたというローラ・ポイトラス監督には『渡りに船』だったのだが、幸運でもなんでもない。
ローラはスノーデンに“選ばれた”のだ。
これこそがスノーデンの発言の裏付けになりはしないか。
スノーデンとジャーナリストたちの接触過程やインタビューがそのままスパイ映画みたいで、思わず身を乗り出してしまう。(笑)
香港という場所自体の選択も絶妙だし説得力がある。
政府機関の特殊な固有名詞や専門用語がバンバン出てくるので、ちょっとついていくのは大変だが、幸いなことに概要はすでにニュースなどで知っている。(笑)
ここは純粋にスノーデンの表情や現場の様子に集中できるというもの。
スノーデンの衣類が常に無地で取り立てて特徴がないのは面白い。自分の情報を第三者に与えないように自然に身についている術なのか、個人の趣味なのか?
個人の自由をないがしろにした管理国家の行く末がどうなっていたのかは歴史に刻まれている。
それでも人は繰り返す。法の抜け穴を拡大解釈したり、捻じ曲げて国民を管理しようとする行為はなんだか日本にとっても他所の国の話ではない気がする。
本作にアカデミー会員が長編ドキュメンタリー賞を与えたのは、管理社会に対するハリウッド業界人の意思表示に他なるまい。
日本では今年公開予定…らしいが、詳細は不明。
こういう時事ネタは熱いうちに公開した方がいいと思うのだが…。
誰かリークしてよ。(笑)
奇しくもアメリカでもジョゼフ・ゴードン=レヴィットがスノーデン役の伝記映画「Snowden」(オリバー・ストーン監督作品)が2度目の公開延期となってしまったようだ。
(2015年12月25日→2016年5月13日→9月16日。日本はいつですかね?)
公開延期は偶然だよね?(笑)
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