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2016年02月21日19:27

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『夜中に犬に起こった奇妙な事件』@NTLive2016

ナショナル・シアター・ライブ2016
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』

 これぞ「アイディア賞!」と思わず叫びたくなる。
日本でも(日本人キャストで)上演されたと聞くが、生舞台で見るよりも編集された映像をスクリーンで見た方が本来の演出が楽しめよう。

 ロンドンから車で一時間くらいにあるスウィンドンに父と暮すアスペルガー症候群の15歳の少年クリストファー。
ある日、隣人の飼い犬が殺されたのを持ち前の頭脳で犯人探しをしようと試みる。
しかし、それは驚くべき秘密を暴くこととなった。
事件を通してクリストファー少年の成長を捕えた感動作。

 何といっても特筆すべきは特殊なステージセット。いや、とりわけ珍しいセットがあるわけではない。
むしろ地味というか、シンプル。黒地に白線の方眼が描かれ、周囲をぐるりと白い箱で取り囲むセンターステージ方式。
ユニークなのは地面をスクリーンに見立てたプロジェクションマッピング映像の演出。

 ある時は部屋だったり、または電車だったりトリッキーな映像処理が見事。
時には重力さえ捻じ曲げる発想はいかにも現代的である。
これは主人公が理系の頭脳を持っているメタファーにもなっているか。
だが、これ、観客席で鑑賞するにはどうなのだろうと思うと、複雑な気もする。

 スタイリッシュな部分ばかりに目が行きやすいが、クリストファーを演じるルーク・トレッダウエイのフィジカルを生かしたアクションも見ごたえある。
他人とコミュニケーションをとるのが苦手なクリストファーが、壊れた家族との絆を少しづつ取り戻そうとする姿には思わず力が入って応援したくなる。

 普通はカーテンコール(カーテンはないけど)の後は、本当にお終いであるが、本作は最後の最後まで見逃せない工夫がされていた。
少しばかり高校の数学の時間に戻ったような気分も味わう。(笑)

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