『
サイレント・ハート』
トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2016
デンマーク映画界の重鎮ビレ・アウグストの2014年作。
特殊な映画祭のみの公開なのかと少し驚くが、次の機会があるか分からないのでこの機会に見ておく。
高齢化が進む社会では避けられない問題。
近年特に増えた尊厳死や安楽死についての<ある家族>の考察を描く。
ALSの進行に耐えられなくなった母エスター。
身内が集まって最後のひと時を過ごす計画を立てる。
普段は離れて暮らす家族が、のどかな片田舎の一軒家に集まる様子は、傍から見れば羨ましい光景に映るかもしれない。
もちろんデンマークでも安楽死は合法ではない。
だが、人としてその気持ちは理解できなくもない。
エスターの配偶者である夫ポールが医師であることが皮肉にも安楽死を身近にしているのかもしれない。
長女ハイジと次女サンネ、二人の娘の意見の相違が話を複雑な方向に推し進める。
それは誰もが心にあるであろう二つの答えの象徴ともいえる。
人生に完全な答えなんて見つからないのかもしれないが、それでも探してしまう。
これは安楽死を望む母の話よりも、それを受け入れようとする家族たちの物語だ。
考えさせられるのは、本来はプラスになるものがマイナスになり、マイナスのものがプラスの効用を見せるという点。
大事な集まりに純粋な親族以外の人物が参加している。
フィクションで、部外者が登場する…という意味を考慮すれば<特別な役割>があるだろうことは推察がつく。…なので秘密の暴露は想定内なのが少し弱くしているかもしれない。
静謐な調べが常に流れている。
10日と12日に上映が残っている。
これはチケットが余っていそうだ…。
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