『
ドリーム ホーム 99%を操る男たち』
世界で格差社会が問題になり「世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である」という説 もある。
まぁ、今さらそんなことを聞かされなくとも身に染みているのだが…(苦笑)
アメリカ経済で問題となったサブプライム・ローンとリーマンショック。
それらがもたらした悲劇は枚挙にいとまがないだろう。
ある日、警官と不動産屋がやってきて「はい、出て行ってください」と言われて立ち往生する主人公のドラマチックな人生を通してアメリカ資本主義のゆがみに一石を投じる。
取り立てられる側だった人間が、逆の立場になるという皮肉が効いている。
きれいに脚本が描けているので途中からは先が読めてしまうが、それでもプール付き豪邸の空虚さには言葉を失う。
悪徳不動産業者リック・カーバーと無職のシングル・ファーザー、デニス・ラッシュの<家>に対する考え方の違いが面白い。
かたや単なる入れ物といい、もう片方は思い出の詰まった場所と考える。リアリストとロマンチストという立場の違いでその後の対応もほぼ推測がつくのだが、自分ならどうだろう…と考えてしまう。
リック演じるマイケル・シャノンの鬼瓦のような形相がインパクトあるので、つい<悪党>に見えてしまうが、はたして見た目通りなのか?
少し芥川龍之介の
『羅生門』が頭をよぎった。
元をただせば、返済能力がないのに過剰な借り入れをした方に責任があるので、返せないなら差し押さえられるのは正当だという見方も当然あるだろう。
逆恨みする方に非があるというのも理解できなくはない。
…が、問題はそれだけなのか、…という疑念が裁判所の下りに表れていたように思える。
今にも壊れそうなガラス細工のような役柄を演じさせたらアンドリュー・ガーフィールドはやはりうまい。
視線の外し方など分かりやすい芝居なのだが、役と容貌があってる。
しかし、それもヒール役のシャノンの対比的な存在感があってこそだ。
(胡散臭い役柄は本当にハマる。)
キレイごとだけで生きていけないのは承知していても、他人の不幸の上に自分の幸福が成立するのかという問いかけに何の疑問も持たない人間にはなりたくないものだ。
いずれ日本も対岸の火事と笑ってはいられまい。
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