mixiユーザー(id:11939455)

2016年01月18日01:26

414 view

『フランス組曲』

『フランス組曲』

 アウシュビッツで亡くなったユダヤ人作家イレーヌ・ネミロフスキーの遺作小説を映画化。

 1940年6月、ナチス占領下のフランス片田舎が舞台。
義母(クリスティン・スコット・トーマス)と戦地に送りだした夫を思いながら暮らすリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)の屋敷にもナチスがやってきて、将校ブルーノが滞在する。

 当時のフランスの豪農の生活ぶりを丁寧に描いていて、風俗・民族学的にも興味深い。
『ロミジュリ』的な対立関係と既婚であるという二重のタブーの中で、音楽で通じ合う悲恋が美しい映像とともに語られる。
誰にも理解されない真実の愛を確かめ合う二人はまさにメロドラマの王道という感じ。
常にカーテンやドアの隙間からチラ見するのも昼メロ風で良い。(笑)
ロウソクの炎に託した想いの演出などなかなかシャレている。
空爆など戦争シーンも見応えあるが、ドイツ兵が基本的に母国語を話してることを考えると、フランス人が英語を話すのは少々気になる。(商業的な意味合いなのか、ミシェルのフランス語力の問題なのか…。)

 地主ゆえに農地の小作人を支配下に置いていたリュシルの一家が他国に支配されて逆の立場を味わうという皮肉が奥行きを与えているように感じた。
狭い社会しか知らず、常に誰かの庇護のもとでしか生活した経験を持たないひ弱な女性が次第に自立してゆく姿は、後年の女性の社会進出の先駆けともいえるのではないか。

 フランスの美しい田園風景に目を奪われる。どのカットも実に絵になる。
キャストではミシェル・ウィリアムズがなにより印象深く、お相手のドイツ軍将校が好みの俳優だったら、もう少し感動できたかもしれない。
しかし、アウシュビッツで明日をも知れない状況下、日の目を見るかも分からないのに「ドイツ人も同じく人なり」というスタンスで小説を書いた原作者の創作意欲には頭が下がる。

フォト

2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年01月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

最近の日記