『
完全なるチェックメイト』
冷戦時代に、絶対的な強さを誇っていたソ連のチェス・プレイヤー<リーヴ・シュレイバー>に敢然と立ち向かったアメリカ人のチェス・プレイヤー<ボビー・フィッシャー>の伝記映画。
『スパイダーマン』のトビー・マグワイヤが伝説のチェス・プレイヤー<ボビー・フィッシャー>を演じ、『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィックがメガホンをとる。
天才と何とかは紙一重というが、まさしくそれを地で行くような話。
映画で見る限り<ボビー・フィッシャー>はかなりエキセントリックな人物だったようで、友達になるのは難しそう。(苦笑)
チェスは頭脳戦なので、一手でも先まで読む思考力と集中力が必要なのだが、案外とメンタルの競技なのかなという印象も受ける。
よく言われるのは天才は孤独だ…と。それだけ周囲には(凡人には)理解されない宿命を背負っているのだろう。
チェス・プレイヤー個人の戦いだったはずが、やがて国家の代理戦争の様相を呈してくる。
敵がソ連となるとチェスなんてまるで知りもしない庶民まで勝敗に一喜一憂。にわかファンが騒ぎ立てるのはどこの国も一緒か。
晩年の米国の対応に痛烈な皮肉が込められる。
原題は「Pawn Sacrifice」、これは将棋で言えば<歩兵の犠牲>。 勝利のための小さな犠牲ということで、「肉を切らせて骨を断つ」作戦という解釈でいいのだろうか。
チェスの戦術やルールを知っていたら、より深く楽しめたかもしれない。
コマの動かし方の字幕表示が興味深かった。
トビー・マグワイヤの狂気をはらむ“どや顔”は一見の価値あるか。(笑)
ソ連の強敵ボリス・スパスキーには『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』のリーヴ・シュレイバーが好演。
心底強力な敵に思えるが、その実彼も人なり…という側面は冷戦自体をカリカチュアして見せているようでもあった。
ただ、ボビーの人格形成上に大きな影響を与えたであろう両親のことや出自問題の掘り下げが曖昧に終わったようで、その点が映画自体のピントをやや甘くしてしまった気がする。
試写会@よみうりホール
12月25日より公開
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