『
007 スペクター』
まさにクレイグ版ボンドの集大成。
ダニエル・クレイグになってからジェイソン・ボーンのようなシリアス路線だったが、原点回帰ともいえるゴージャスでリッチなボンドが帰ってきた。
監督は前回に引き続きサム・メンデスがメガホンをとる。
しばらく権利問題で使えなかったという<秘密組織スペクター>もシリーズに復帰して、まさに新たなるスタートと言えるのではないか。
冒頭のエピソードはメキシコシティを舞台に描かれ、クレイグ版ボンド史上でも特に見ごたえあるヘリコプター・アクションに仕上がっていたのではないか。その分、その後の展開が幾分ダウンした気も…。
この映画のためにアストンマーティンは世界で10台というDB10という新型車の開発したという。
超がつくほどのスーパーカーによるカーアクションは手に汗握る(別の意味でも…)。
<スペクター>に限らず、随所にショーン・コネリー時代の面影がある。
列車内での怪力の殺し屋もまた原点回帰なのだろう。
ただ、列車の中に人がいないさ過ぎでは?
この辺の大味な演出は惜しまれるところ。
今の時代にあった見せ方を考慮しても良かったと思う。
また、クレイグ版では敵役に豪華な個性派俳優をキャスティングしてきたが、今回は曲者俳優クリストフ・ヴァルツを迎えながらも今一つ魅力を持たせられないのは残念。
『カッコウ理論』も取ってつけたよう…。
ボンド・ガールには勢いのあるレア・セドゥが挑むが、開巻早々濃密なエロスを醸し出すモニカ・ベルッチ(御年50歳!)に軍配が上がった気がする。
Q役のベン・ウィショーがこれまでになく活躍しているのはうれしい限りで、ボンドの思わぬ出自が明かされ、今後が気になる。
ラストのシャレた幕切れもまた<原点回帰>なのだろう。
写真は阪急メンズ東京に飾られた10台のうちの1つ。
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