『
わたしの名前は・・・』
2013年のフィルメックスで上映された際は見れなかったが、あのファッションデザイナーとして有名なアニエスベーが本名のアニエス・トゥルブレで監督デビューした作品。
何でもアニエスベーはシネフィルとして知られているという。
ちょっとした人物の背景の壁の色など「いかにも」という映像センスは監督がデザイナーであることを強烈に知らしめる。
実に芸術家の作品の芳香が強くて、好みが分かれるかもしれない。
個人的には、ちょっと違和感を覚えるが…。
実際の新聞記事を基にアニエスベーが想像力を掻き立てて創作されたそう。
これが自叙伝だったら、また違ったかもしれない。
父親に虐待を受けるフランス人の娘と、父親ぐらいの年でスコットランド人のトラックドライバーとの奇妙なロードムービーを描く。
ある種、インスタレーション表現なのか。
カラーにモノクロが混ざり、画角が変化し、画素自体も荒くなったりとアートを意識させるが、それ自体が作品には必要だったのかとふと疑問に感じてならない。
(技法が繰り出される瞬間に映画を離れて、映像アート作品となってしまう。)
それ以前に芝居や演出の硬さが気になる。
キャスティング自体は悪くないとは思うし、児童虐待や冤罪という社会問題にメスを入れる着眼点も良いとは思うが、表現が<私>に寄りすぎていて、入っていけない。
(だからこそ良いという評価も理解はできる。)
細かいことを言えば、店に入ってから出るまでの時間経過が可笑しくないか?
そして唐突なラスト。ここを描きたいのは分かるが、
いかにも唐突…と感じてしまった。
(アッ!と驚くじゃなくエッ!?と驚く)
余談だが、アニエスベーの服は2着ほどしか登場しないらしい。
それも作品のために作られたのじゃなく、古い物…。
全ての衣装はよくあるもので構成されているらしい。
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