『
ヴィンセントが教えてくれたこと』
いい年の重ね方をしたい。
そう思う人は多いだろうが、中々これが難しい。
そこへ行くとビル・マーレイはむしろ若いころよりも味が出てよくなっている気がする。
決してハンサムとは言えない(失礼)容貌だが、『ロスト・イン・トランスレーション』『ブロークン・フラワーズ』とどんどん魅力的になっている。
そんなビルの魅力にあふれた映画で、日ごろまともに働きもせずに酔っぱらって毒舌はいているだけのロクデナシなのに憎めない。彼のキャスティングで半分成功したようなもの。
『グラン・トリノ』のビル・マーレイ版みたいな印象もなくはないが、イーストウッドのように強くも立派でもない(失礼)のがまた役に合っている。
隣に越してきた母子、特に孤独な少年オリバーと交流を持つところから相互の人生に変化をもたらす様子が、効果的に描かれる。
ほとんど設定で展開は読めるのだが、そんな中でビル演じるヴィンセントの抱えた悩みや過去にはグッとくるものがある。
もっともそれがなかったらホントのクズ野郎で終わるだろうが…。(笑)
全員の悩みのつながりはお金。
金銭問題がなければ、彼らはつながりを持たなかったかもしれない。
なので貧乏で良かったね…というあたりに私なんかはとても共感を持てる。
ただ、イノセントである子供を利用して語られるから成立する話であり、その辺に利口な脚本家の狡さも感じなくもないが、子役のジェイデン・リーベラーに免じて許してしまおう。(笑)
ロシア人ストリッパー役のナオミ・ワッツのなりきりもスゴイが、いつものギャグ色を封印したメリッサ・マッカーシーには驚かされた。(意外性の配役かな?)
代わりに…かどうかわからないが、随所にちりばめられたユーモアが実に愉快。
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