『
ハッピーボイス・キラー』
何とも風変わりなダーク・コメディ。
これも一つのハッピーエンドなのだろうか?
視点を変えてみることが大切だろう。
…そう、視点が違うのだ。
バスタブの梱包部門で働くジェリー(ライアン・レイノルズ)は“
特殊な能力”のために精神科医の助けを借りて、廃墟となったボーリング場に暮らすボンクラ野郎。
家族といえば、意地悪な猫と心優しい犬がいるだけの孤独な人生。
好きな子ができてもちゃんと行動に移せない不器用なヤツ。
そんなある日、会社で意中の女性をデートに誘う。…が、すっぽかされるところから歯車が狂い始める。
ジェリーのトラウマになっているファクターが読み解くカギとして重要。
もちろん、ジェリーの“特殊能力”こそポイント。
ヒントは飼い犬や猫の<声>にある。
カウンセリングの内容と処方薬との関係をみれば、この映画が“どの視点”から見ているのかは気がつくのではないか。
いいかえれば一方的な見地からじゃなく、相手の立場にたって考えてやることが必要だということか。
脚本のマイケル・R・ペリー曰く、着想はFBIのプロファイリングチームへのインタビューだったそうだ。「犯人の気持ちになって考える。犯人が見ている“映画”を知ることが大切」なんだそう。なるほどね。
制作に際し、白羽の矢をたてられたのはマルジャン・サトラピ監督。
『ペルセポリス』や『チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢』で見られた独特のポップセンスが存分に生かされている。
明るく病んだ青年ジェリーをライアン・レイノルズが好演。共演には、アナ・ケンドリック、ジェマ・アータートンと旬の人気俳優が顔をそろえる。
今年はアナ・ケンドリックの当たり年かと思うが、彼女の“特技”もちゃんと用意してあるのはファンにはうれしいところ。
ところで、
ジェリーがシリアルを食べているのは意図的な演出なんだろうか?(笑)
9月19日よりシネマート新宿など順次公開
(原題は単にThe Voicesだけなのに邦題は『ハッピーボイス・キラー』になった。これは内容を正しく言い当てているのか?)

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