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2015年07月05日01:35

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『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』

『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』

 人生にはいくつも曲がり角もあるし、岐路もたくさんある。
あの時こうしておけば、こうしなければ…そう思うことは誰にでもあるのではないか。

 自動車に乗って災難を受けるのが流行っているのか(笑)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に続いてトム・ハーディのワンシチュエーション・ドラマは、ほぼ自動車に乗りっぱなしの会話劇。

 脚本家として知られたスティーヴン・ナイトの長編2作目。舞台にも置き換えられそうな世界で、脚本力とトム・ハーディの一人芝居にかかっていると言っても過言ではない。
調べるまでもなく脚本家出身だと推測がつく内容で、予算が作品の質を決定付けるわけじゃないことを証明する。
(日本でもアイディア次第で真似できるのでは?)

 タイトルにあるように86分間のドライブ中にいくつかのドラマが動く。
ワケありで病院で待つ女性と、一緒にサッカー中継を見る予定だった息子と妻、それと大事な仕事の工事の件。体は一つなのに必要とされる件が最悪のタイミングで重なる。

 夜というのが視野を狭め、また精神状態や覚悟を決めた思いの中身をカーナビの画面が指し示す。
もはや“寄り道”や“道草”を食う猶予はないし、すでにその時は過ぎた。
その意味ではスリリングさが少し足りないかもしれないが、珍しくストレートな役柄を演じたトムのポテンシャルを引き出している。トムを載せる自動車はもちろん移動目的の物だが、一方では破滅に向かう“棺桶”のようでもある。

 会話の内容から少しづつ状況が語られ、想像力を掻き立てられるのも良い。
単調な車内の様子を飽きさせないようにというカメラアングルの工夫も感じられる。

 妻の日ごろの些細な愚痴はなるほど体験者でないと気がつかないことと思うし、終盤での息子とかわす会話が泣かせる。
たった一度の過ちで全てを失いかけた人生に希望の光が差す。
そう…いつの時も子供は大いなる希望だ。

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