『
ルック・オブ・サイレンス』
1960年代にインドネシアで起きた大虐殺を殺害した方に取材した『アクト・オブ・キリング』の姉妹編と言っていいか。
監督は前作と同じアメリカ人監督ジョシュア・オッペンハイマー。
『アクト・オブ・キリング』撮影時にまとめて取材した中から、兄の殺害について語るビデオをアジャに見せたことから始まっている。
今回は被害者側のアジャが訪問メガネ屋としてインタビューして歩く。
この職業がやがてメタファー的に効いている。
当初は共産主義者を追い払った英雄たちを“仲間”のアメリカ人監督が取材に来ていると思っていたであろう。
穏やかに話していても、焦点に近づくにつれて顔つきが変わってくるのが分かる。途中で真意に気がつく瞬間の表情は言葉では説明できない。
前作ほど映画的なつくり込みがなくストレートに言いたいことが伝わる。
つくづく人間は弱い生き物だと痛感する。
そんな弱い人間に、もてあます権力を持たせる怖さは現在の日本でも感じることはあるだろう。
真実が開示されることが被害者にとって良かったのかどうかというビターな展開もやるせない気分にさせるが、アジャにとってはケジメをつける上でも必要だったのだろう。
老眼鏡でピントが合っても、事件の真相をハッキリ見通すことはできるようになったのか?
追い詰めたアジャが無言で見つめるまなざしの重さをかみしめる。
前作と同じのはクレジットにアノニマス(匿名)表記が多いこと。
インドネシアでは身元が知れたら身の安全が保てないのだ。
そう思うと怖さが一層増す。
是非、『アクト・オブ・キリング』とセットで!
試写会@ユーロライブにて。
7月4日より公開
ゲストに松崎ブラザーズのトークがあった。

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