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2015年06月06日00:25

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『Song of the Sea 〜海の歌』

『Song of the Sea 〜海の歌』

 2015年東京アニメアワードフィルムフェスティバルでグランプリを受賞。
今年のアカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされたアイルランドの作品。
このアイルランド出身のトム・ムーア監督は以前にもケルトをテーマにした作品(『ブレンダンとケルズの秘密』原題The Secret of Kells)を制作している。
一般公開は未定だが、EUフィルムデーズで紹介された。

 アイルランドの民間伝承を基に普遍的なテーマに取り組んでいる。
『人魚伝説』『アザラシ女房』あたりの説話を知っていると理解がしやすいかもしれない。
上映に際してアイルランド伝承文学研究家の渡辺洋子女史がその辺の事情を説明。

 民間伝承の物語や説話を大切に自身の作に取り込むということは、過去の遺産を受け継ぐことで、先祖へのリスペクトに他ならない。
過去を否定して現在はないし、また未来を紡ぐことも不可能だということだろう。

 ある灯台守一家の話で、陸では人間の女性の姿をとる妖精(セルキー)の母親と人間の父親の間に生まれた兄妹の冒険譚。
喪失と誤解が家族を崩壊の道に向かわせているが、魔法(目には見えなくとも確かにある不思議な力)で癒しを得るというもの。
アイルランドは妖精の伝説が数多く残り、身近な存在だという。
日本の八百万の神みたいで親近感がわく。(笑)

 まずは美しいデザインに目が行く。
この3D全盛時代にフラットで透明感ある手描き映像が新鮮。
アザラシの可愛らしさ(ゴマちゃんを思わせるキュートなのも…)夜や海中のファンタジックな描写も見とれるほど。

 と同時に、宮崎駿作品の影響も強く感じた。
宮崎作品に親しんできたものには『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』といったあたりが自然と脳裏に浮かぶだろう。(もっとオールドファンには『太陽の王子 ホルスの冒険』も?)実際、トム・ムーア監督は宮崎駿や高畑勲の作品を高く評価してるようだ。
違う点といえば、変にひねらずに着地点が予定調和を思わせることか。

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 言葉を発しない妹の名前Saoirse(シールシャ、英語読みはシアーシャ)は「自由」の意味だそう。
さすれば作品の意図は明らか。
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