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2015年02月22日20:37

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『アメリカン・スナイパー』とオスカーの行方

『アメリカン・スナイパー』

 「戦争に勝者はいない」、イーストウッドが“伝説”とまで呼ばれた凄腕狙撃手クリス・カイルを描いた本作を見ると、聞き覚えあるフレーズが自然と浮かぶ。
アメリカでは保守派層がこぞって「これぞアメリカの英雄」と祭り上げ絶賛していると聞くが、個人的には反戦映画以外何ものでもないと思うのだが…。
確かに最後の20分前までなら、そうなりえたかもしれない。
しかし見るべきはそのラスト20分であろう。
描かれた問題は、古くからあったのだろうが表立って取り上げられるようになったのは、ベトナム戦争後か。
いかに訓練されて強力な人間であっても避けて通れない道…。

 クリス・カイルは国のためと志を高く持って入隊し、エリートであるネイビー・シールズを目指す。
そこには軍人・家族・国家とあらゆるつながりある人々を守りたいという純粋な気持ちがあったのだろう。
教会に通い父の教えを守って弟の面倒をみる幼少期の思い出から丁寧に描かれていく様は、西部劇にも通じる古き良きアメリカ人の姿かもしれない。

 しかし、戦争の恐ろしさをまだわかっていなかった。
現地で対峙するのは兵士だけではなく、誰かの母であり、子であり、妻や夫であるのだ。
それを如実に物語る敵スナイパーのプライベートなシーンがある。ただ、これは観客が見ているだけでクリスは知らない。
そこにこそイーストウッドは“気付き”を与えてくれたのではないか。

 制作中に起きた重要事件で脚本を書き換えなければならなかったのは、むしろ幸いだったのかもしれない。それによりテーマがハッキリとしたと思う。

 しかし80歳超えても衰えの知らないイーストウッドには脱帽だ。
圧倒的な緊張感とスナイパー同士の対決など娯楽要素も十分。
役作りのために18キロほど体重を増やしたというブラッドリー・クーパーのなりきりぶりも見事であった。
エンディングの“音”は観た人それぞれが考えるべきものなんだろう。

フォト


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 さて、話は変わって明日は米アカデミー賞授賞式。
例年通り今年も適当予想を…。(笑)

作品賞:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
監督賞:リチャード・リンクレーター
主演男優賞:マイケル・キートン
主演女優賞:ジュリアン・ムーア
助演男優賞:J・K・シモンズ
助演女優賞:パトリシア・アークエット
脚本賞:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
脚色賞:『博士と彼女のセオリー』
視覚効果賞:『インターステラー』
美術賞:『グランド・ブダペスト・ホテル』
撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)
衣装デザイン賞:『グランド・ブダペスト・ホテル』
長編ドキュメンタリー賞:『CitizenFour』
短編ドキュメンタリー賞:『Crisis Hotline: Veterans Press 1 』
編集賞:『6才のボクが、大人になるまで。』
外国語映画賞:『Leviathan』(ロシア)
音響編集賞:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
録音賞:『アメリカン・スナイパー』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『フォックスキャッチャー』
作曲賞:ハンス・ジマー(『インターステラー』)
主題歌賞:“Glory”(『セルマ』)
長編アニメーション賞:『ヒックとドラゴン2(仮題)』
短編アニメーション賞:『ダム・キーパー』
短編実写映画賞:『The Phone Call』

迷うのは作品賞(6才)と主演男優(レッドメイン)か。
正直、『バードマン』の出来が分からないのが難しくしている。
長編アニメは『ヒック』と『ベイ』の一騎打ちのイメージ。
監督、助演男女、撮影は堅そうな気がするけど…。

結果は明日のお楽しみ!


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