『
ニンフォマニアック Vol.1』
メンヘラ映画監督ラース・フォン・トリア―の二部作(約4時間)からなる長尺の艶笑小噺。(笑)
『メランコリア』が同監督の“鬱”を代表するなら、さしずめこちらは“躁”ではないか。
おそらくトリア―映画史上もっとも陽気な作品だと思う。
やたら長いのと、性行為シーンがふんだんにありそうな事前情報から身構えてしまうが(笑)、一人の色情狂の女性が語る
『性の千夜一夜物語』といった趣。
予告編でこれ見よがしに性描写が見られたのは予防線だったのかもしれない。
実際は予想したほど赤面することはなかった。(勿論、ボカシはあるが…)
全部で8章からなるというが、Vol.1では5章まで。
最後まで見ないと評価は難しいかもしれないが、大いに笑わせてもらった。
細部に薀蓄や仕掛けの数々が見られる。
第1章の<1等車両>も性の一限目のナゾかけなんだろうか。
語り部であり、本作の主人公<ジョー>をトリア―映画のミューズであるシャルロット・ゲンズブールが、そしてVol.1で大活躍する<若きジョー>を新星ステイシー・マーティンが熱演。
彼女の頑張りなくして成立しないほど。(はぁと)
観客に代わって聞き手となるのが、スウェーデンの重鎮ステラン・スカルスガルド扮する<セリグマン>。その名は“幸せな人”を意味するらしいが、真意は後半に明かされるのだろうか。
博学な彼は多趣味で、その一つの
釣りに強引なまでに重ね合わせる理論に爆笑。
登場人物のエピソードでは
H夫人のユマ・サーマンの下りがケッサク!(笑)
バックを彩るラムシュタインやステッペンウルフの楽曲もまた楽しい。
ラムシュタインは『PUSSY』というステキなPVを製作していたり、トンだオマケを付けたがゆえCDが成人指定になったりとか特定の層には有名なイカレタ…いや、いかしたバンドで、ステッペンウルフの「ワイルドで行こう」もかなり直球演出だ。(笑)
(後半にもあんな曲やこんな曲が控えているらしいので楽しみである。)
続編公開が待ちきれない。(そういや映画評論家の真魚八重子さんが数か月前にTwitterで海外盤を輸入できるか危惧していたけど心配ご無用っす。)
海外では公開版よりさらに長尺の約5時間半あるバージョンのソフト発売も決定していると聞くが、『千夜一夜物語』ならどれほど長くても問題ない。いや、いつまでもこの世界に浸っていたい気持ちにさせられる。
真面目な話、愛について体と心の分離の考察なのかと邪推するが、…さて、小噺にいかなるオチをつけてくれるのか。
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