『
ロンドン・リバー』@三大映画祭週間2014
親はどんな時でも子供を心配するもの。
それは人種や宗派などを超えてでも共通の感情だろう。
2005年7月7日に起きたロンドン・テロに端を発した映画。
その日ドーバー海峡の島に暮らすソマーズ夫人はロンドンで暮らす娘が心配でアパートを訪ねる。
主が留守の部屋には母親の知らない一面が存在した。
一方、フランスに暮らすオスマンの息子もロンドンで生活している。
幼少のころに離れてしまい、もはや親子というのもおこがましいほど。
しかし、一族としての思いから我が子の身を案じて駆け付ける。
はたして二人は子供たちを見つけることができるのか…。
ふとしたことから二人の親は出会い、互いの子を心配するのだが、敬虔なクリスチャンであるソマーズ夫人はムスリムのオスマンに心を開こうとしない。
今もなおイスラム教徒は容疑者的な扱いを受けるケースがある。
人の持つ異なるものへの警戒心や排除、ひいては差別意識にまでことは及ぶ。
勿論、先入観で判断する弊害は頭では理解しているのだろうが…。
テロについての社会的メッセージというよりも、人種・宗教・言語など様々な条件の違う二人が同じ目的を持った時に、立ちはだかる壁を乗り越えられるかというもの。
それが証拠にテロの首謀者や背景については深く描かれない。
一方では、親は子供のことは何でもお見通しだと思っている人も多いかもしれないが、その実のところは子供のことなぞ知らないのではないかという皮肉が込められる。
なにかと感情的になるソマーズ夫人を演じたブレンダ・ブレッシンの庶民的おばちゃん像も共感できようが、
ベルリンで男優賞に輝いたオスマン役のソティギ・クヤテの抑えたいぶし銀のような演技が光る。
小道具の使い方が中々ウマい。
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