『
イントゥ・ザ・ストーム』
自然災害の恐ろしさは人間の慢心を戒めるためか、時には想像を絶する破壊力をもたらす。
どれほど科学力が発達しても自然を支配できるなどと考えてはならないのだろう。
しかし、それでも防げない被害はただ悔しい。
アメリカには竜巻追跡を職業にしている連中がいる。
危険であればあるほど、映像やデータは価値を増すしお金にもなる。
アメリカ中西部シルバートンの田舎町を舞台に竜巻追跡のチームの仕事ぶりを主軸に、地域の高校の卒業式を巻きこんでの群像劇が描かれる。
しびれを切らすほど前半はじっくりと各人各様の思いや願い、人物関係が描き出される。
竜巻モノといえば、かつての映画では『ツイスター』が知られていようが、さすがにVFXの発達は雲泥の差がある。
シミュレーション映画としては臨場感満点といえる映像が楽しめる。
これが3Dだったらどれほどだったかと想像する。
『ツイスター』の時代と違うのは、誰もがスマホやデジカメなどを持ち歩いていて、素人でも撮影が簡単にできること。そうした映像はPOV式となり臨場感アップに貢献。
ムリな撮影を行うチームや動画投稿目的のバカな連中がいなくならないのは、背景に格差社会もあるのだろう。
ろくな仕事がない田舎町でアメリカン・ドリームを追いかけるとしたら、こうした巨大な竜巻を命がけで追いかけるくらいしかないという皮肉なんだろうか。
お約束ではあるが、街を崩壊させる竜巻のおかげで崩壊しかけた家族が団結するのは説得力がある。
追跡する
特殊車両の名前が「タイタス」だったり、星条旗や教会の暗示的配慮に思惑を感じる。
さりげない伏線が巧みに生かされているのも地に足の着いた(?)ディザスター映画になっている。
ただ、自然被害はフィクションの中だけにとどまって欲しいと切に願う。
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