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2014年07月15日00:36

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『消えた画 クメール・ルージュの真実』

『消えた画 クメール・ルージュの真実』

 日本ではこれまで映画祭上映しかなかったカンボジア人映画監督リティ・パニュが自身の体験を基にポル・ポト派の虐殺行為を描いた記憶のドキュメンタリー。記憶の…と書いたのは現実のフィルムは存在しないし不可能であるから…、その点ではアニメで再現された『戦場でワルツを』に近いスタンスだろうか。

 70年代後半、世界が『スター・ウォーズ』で盛り上がっていたころの話。
同じ時代のそう遠くない国ではクメール・ルージュ(カンボジア共産党)の支配下で数百万の命が消えた。
党のリーダーであるポル・ポトという名前は知っていてもクメール・ルージュの内情についてはまるで関心もなかった、粛清という名の虐殺行為という概略だけは伝わってきていても…。

 監督は虐殺された多くの人々が眠る土を材料に作られた人形で、当時の様子の再現を試みている。
両親や友人をことごとく失った監督にとって思い出すのも辛いことだったであろうことは容易に推察できるが、死者の血肉を吸い取った土で人形を作り上げることが一つの供養とみなしているのか。

 ポル・ポト派が支配していた時代のフィルムは見事なまでにプロパガンダ映像しか残っていない。
どの時代の、どの独裁体制もやることは同じ。人類は過去から学べないのか?
しかし、裏に米国の影があったというのは何とも皮肉。
(だからアカデミー賞外国語部門にノミネートされながら落選したとは思いたくないが)

 共産主義イコール悪とは思わないが、権力を束ねたいものには“都合のいい道具”だったのだろうか。
「すべては共有物」と国民から財産を巻き上げ、あたかも「お前らは死んだも同然」と言わんばかりに衣服は黒で統一され、個人の所有物はスプーン1本のみ。
真の意味で共有できるのは苦悩ばかりという嘆きが聞こえる。

 その後ポル・ポト派がどういう結末を迎えたかは説明不要だろう。
思えば、日本からそう遠くない半島にも似たような独裁体制がある。はたして同じ結末が訪れるのか…。
人間は過去から学べない悲しい生き物だとは思いたくないが…。

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