『
渇き。』
『告白』の中島哲也監督が『進撃の巨人』を降りて撮った作品ということで、いやでも注目は浴びるだろう。
しかし誰に感情移入してみればいいのか…。
ジャン・コクトーの名言から始まる複雑怪奇なミステリー。
離婚したため一緒に暮らしていない…とはいえ実の娘が行方不明では父の藤島昭和(役所広司)は元刑事として手腕の発揮となるだろうが、そこで浮かび上がる“事実”は自分の知っている姿と似ても似つかない娘の姿…。
実の子の本当の顔など親は知りはしないという皮肉をミステリーとスタイリッシュな作風で切り取る。クローズ・アップの多用、極彩色、細かい編集、音響とどれをとっても中島映画らしい躍動感あふれる演出。
必要以上にグロすぎる描写は賛否あるだろう。
ただ、似た描写の連続なので感覚はマヒしてくる。
現在地が分からなくなるのではと思うほど時系列が飛びまくる。
場面ごとに質感を変えていたりするためか迷子にはならないけど、余計なところでエネルギーを使いグッタリ…。
常にマックスでキレまくる父を役所広司が大熱演。
終始大汗かいて、がなりっぱなしでよく声がつぶれないと感心するが、そこはさすが無名塾。
謎である娘・加奈子の小松菜奈は確かに実態の薄い浮遊感みたいなところは出ているが魔性は…?
ハイテンションと疾走感が作品の肝ではないかと思うのだが、ここぞという場面でメリハリのないのが単調にしてる。加えてミステリー自体に、さして面白味が感じられないのは印象を弱くしてると思うのだが…。
私も最後にジャン・コクトーの名言を一つ。
<生き方の基準は、正しいか正しくないかではなく、美しいか否かである。>
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