『
ワレサ 連帯の男』
ワレサ議長(レフ・ワレサ)、ある年代以上なら名前に聞き覚えがあろう。
ソ連の影響下で自由も権利も制限されていた70〜80年代に抵抗運動を続け、ポーランドの独立自主管理労働組合「連帯」の初代委員長についた男。
これは彼の伝記映画で、これまでもポーランド国民の抵抗を描いてきたアンジェイ・ワイダならではの題材。
今なお、きな臭い東欧の動きを見るにつけ、タイムリーな内容になってしまっているのは、なんとも皮肉である。(苦笑)
一労働者から国の頂点にまで上り詰めたレフ・ワレサの人生の一端がイタリアから来たジャーナリストのインタビューという中から垣間見える。
幾度となく逮捕されたり、抵抗運動のために失業も経験するが、それでも決して折れない強さやポジティヴさは見習うべき点がある。
ドラマチックに描こうと思えばいくらでも出来たろうに、事実を淡々と並べるように描いたのが逆に真実の強さを感じさせる。
時折挿入される本物の映像に加え、モノクロや粒子の荒いタッチ(16ミリフィルム)が効果的に使われる。
既知のこともあるが、社会主義国のスパイ活動の怖さには改めて身震いを覚える。
それにしても劇中でレフ・ワレサ自身も述べているが、
本当に<できた嫁>で彼女の支えあってこそのレフ・ワレサだったのではないか。陰の主役は彼女かもしれない。
ワイダの映画としてここまで当時のロックミュージックをバックに使った例を知らないのだが、それは運動が庶民とともにあるという意味合いなのだろうか。
ただ、惜しむらくはインタビューが回想を伝えるためだけに存在するようで、再現ドラマとしてはそこそこ楽しめるが
<現在地>のドラマの弱さは否めない。ここに一工夫あれば、深みが出たかもしれないのだが…。
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