『
バックコーラスの歌姫たち』
歌手に限らず、芸事を磨く人は一番になってスポットライトを浴びることを夢見る。
「二番じゃダメなんですか」という意見もあるかもしれないが、結果は何番であっても目指す先は一番しかない。
同じステージに立っていてもほんの数メートルの立ち位置の違いで、主役と脇役に別れてしまうシンガーたち。けっして技術的な問題ではない。
主役になれる素質を持ちながらも<影の存在>であった彼女たちにスポットをあてたドキュメンタリー。
率直に言うと登場するバックコーラスの面々には馴染みがない。
しかし、彼女たちがコーラスをとる曲の多くは耳になじんでいるものばかり。
ローリング・ストーンズやレナード・スキナードのあの曲、この曲も…。
60年代頃から現在まで続くポピュラー音楽史という側面も楽しめるが、
錚々たる面子(ブルース・スプリングスティーン、スティング、ミック・ジャガー、スティーヴィー・ワンダーなど)のインタビューの挿入がまた豪華!
いずれも興味深い話であるし、洋楽が好きな人なら裏話としても大いに楽しめる。
気がつくのは、タイトルに歌姫(ディーヴァ)とあるようにバックコーラスをとるのはほぼ全員女性で、また多くは黒人が占めている。
このドキュメンタリーの隠されたもうひとつのテーマは
黒人や女性といった社会の弱者に救いの手を差し伸べるものなのかもしれない。
そういう意味ではきわめて現代的なテーマをもっている作品といえるのだろう。
映画のつくりとしては極めてオーソドックスながら個々のマテリアルの輝きが実に魅力的。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞
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