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2014年03月08日23:56

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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

 彼女にふられ、不景気で仕事もカツカツ、親父はもうろくしてインチキくじに当選したと信じ込み「受け取りに行く」とわがまま言う。何一つツイてない息子デイビッドがやむなく親父ウディに付き合いモンタナからネブラスカまで旅する珍道中なのだが、はからずも自分のルーツを辿る旅ともなる。

 アレクサンダー・ペイン監督らしい心温まるロードムービー。
親父さんの過去を辿る旅ゆえかモノクロが映える。おそらくカラーだったら<色気のない>ものに仕上がったのではないか。
オスカーは逃したもののカンヌ国際映画祭では最優秀主演男優賞に輝いたウディを演じるブルース・ダーンがいい。
ボケているのか、わかっていてボケているのかわからないくらいのサジ加減が絶妙。
もちろん、息子の好青年ぶりや停滞する現状から一歩踏み出す勇気と行動に爽快感も味わうのだが、なにより肝っ玉母さんの存在が映画にパンチを加えている。

 何でもペイン監督は新作を撮る前に、必ず黒澤明の『七人の侍』を見直すのだそうだ。
この作品にも黒澤の影響かと思われる箇所がある。
高齢である点が『生きる』を彷彿とさせ、根底に流れるヒューマニズムも近い印象を受けるが、ウディの味わいのあるボケ具合が『椿三十郎』の「乗った馬より顔が長い」という台詞で記憶される城代家老睦田弥兵衛を思い出す。
ちなみに私の理想像でもある。(どうでもいい話だけど)あせあせ

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 長い旅のはてに掴んだ<報酬>はプライスレス。

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