『
ROOM237』
天才の頭の構造なんて凡人にはつかめないが、こういう様々な解釈ができるところが面白い。
とかく逸話が多い映画監督の一人に上げられるスタンリー・キューブリック。
説明を極力排除した謎めいた作風がより人をひきつける。
誰しも<自分なりの解釈>を人に聞いてもらいたい思いを持つことは不思議でもないし、難解といわれている作品ならばなおのこと。
ただ、そう簡単に他人を納得させることはできまい。
ホラー映画『シャイニング』に対する考察のドキュメンタリー。
この映画にまつわるエピソードは沢山ある。そもそも
143分版と119分版の存在があることは忘れてはならないだろう。
この映画の中で発言している人たちはおそらく143分版のほうを見ているものと思われる。
そう考えると“かなりユニークではあるが無理な解釈”も存在する。
タイトルの『ROOM237』は、もちろん『シャイニング』を見ている人には説明不要な<あの部屋>のルームナンバー。
章立てに区分けされた画面が本編を思わせるつくりだったり、エンドロールも趣向を凝らしていて思わずニヤリとするが、それもこれも『シャイニング』愛なんだろう。
無論、『シャイニング』を見ていない人がこのドキュメンタリーに興味を持つとも思えないが…、それでもこれを見たらきっとまた見返したくなるはず。
先に述べたように<眉唾もの>もあるが、指摘されて始めて気がついた箇所もあり
、完全主義者のキューブリックならば<偶然>とは思えない箇所もいくつも散見されたのは、目からうろこ。
いずれにしろ個々の説の整合性は不確かであっても、
観た者を狂わせるだけの魅力を持っていた作品であったことだけは確かである。
発言者の一人の不敵な笑い声がいつまでも耳に残った。
ログインしてコメントを確認・投稿する