『
ゼロ・グラビティ』
ありがとう、アルフォンソ・キュアロン監督。
ありがとう、サンドラ・ブロック。
ありがとう、エマニュエル・ルベツキ。
ありがとう、ワーナー・ブラザーズ。
ありがとう、この映画に携わった方々…。
字幕よりも吹き替えの方が「映画に入り込める」と聞いたので、あえて吹き替え3D版の上映を選択。
なるべく視角いっぱいになるようにいつもよりも前方の席を確保。
結果的に、とてもいい体験が出来たと思う。
あちこちで言われているように話は至ってシンプル。
医療技師であるライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)がスペースシャトルの船外作業中に宇宙ゴミ(デブリ)のために飛ばされてしまう。宇宙空間にひとり取り残されたストーン博士は無事に生還できるのか?
…というサバイバル・サスペンスが繰り広げられるのだが、巧妙に作られた無重量状態と3D空間の相性のよさもあり、最後まで映画に引き込まれた。
そもそもヘルメットで口元が見えないこともあり吹き替えによる違和感は最小限度だったと思うし、
<宇宙空間に浮かぶ字幕>で現実に引き戻されることと比べたらずっとマシなのじゃないかな?
見る前は宇宙ゴミについての問題提起がメインなのかと思っていたが、実際は違った。
<無重量状態・空気がない・宇宙飛行士は専門職じゃない>といった極度に制限がついた中でいかにサバイバル出来るのかという試練と生命の尊厳について語られる話。
映画のような特殊な環境でなくとも我々は制限の多い中で生きている。
不満や愚痴をこぼす日々を送っているのは誰しも思い当たるだろう。
だが、それで問題が解決するわけじゃない。
最後は自力でサバイバルするしかないのは、普遍的なテーマなのではないか。
ほぼサンドラ・ブロックの独壇場。
特殊効果をのぞく映画のリアリティは彼女の芝居にかかっていたといっても過言ではあるまい。
その重圧に見事に応えていたと思う。
彼女が飛ばされそうになったときに、自分も無意識に足を踏ん張っていた。(笑)
撮影のエマニュエル・ルベツキの仕事も見事というほかない。
VFX処理とはいえ、カメラがバイザーの中に入り込む箇所や冒頭の長いショットなどただただ驚嘆。
リアルな描写の中に嘘が巧妙に組み込まれている点もつくり手のセンスを感じる。
(“あの場面”でジョージ・クルーニーは手を離しても飛ばされないよね。)
ハードSFよりも人間ドラマを優先したつくり。
しかし、アメリカが困っている時にロシアよりも<あの国>が助けになるかも…というのは、ご時世かな?(笑)
その意味では、宇宙ゴミ問題を含め
政治的な映画なのかも。
近年のハリウッド映画の何でもかんでも3D上映はどうかと思うが、この作品だけは3D以外の鑑賞はちょっと考えられない。
来年のオスカーでは作品・監督・主演女優・撮影・特殊効果に大いに期待が持てそう。
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