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2013年12月03日01:40

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『キャプテン・フィリップス』

『キャプテン・フィリップス』

 <勇気><決断><覚悟>、いざとなると簡単なようでいて実行に移すのは困難なことが多い。
組織を率いるリーダーの肩にかかる使命の重さは、どういう組織であれ責任は重大だ。

 2009年、実際にソマリア沖で起きた乗っ取り事件を基に描かれた映画で、『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラスがメガホンを取り、主演は名優トム・ハンクスが務める。
134分というやや長めの尺のほとんどを海上に使い、さながら<実際はこうだったのか>と思わせる説得力ある映像に仕上がっている。

 グリーングラスお馴染みのハンディカメラも健在で、揺れる海面とリンクしていて酔いそうなくらい。
事件は最初から最後まで実に丁寧に描かれていて、陸での生活はセリフから推察する程度に簡略化されている。
それは主観を可能な限り排除して観客に是非を問いかけているかのようだ。この点においては『ユナイテッド93』に近いスタンスか。

 ただならぬ臨場感や緊迫感で一気に最後までひきつけられるが、ネイビー・シールズの登場の段にはさすがに少し緩む。
ちっぽけな俄か海賊と大国アメリカの軍事力を比較すれば、物の数ではない。あせあせ

 キャスティングではなによりリチャード・フィリップスを演じるトム・ハンクス渾身の熱演が際立つ。
船長として毅然と仕切る姿も一家族人としてのか弱き姿も見事に体現していたのではないか。
オーディションで選ばれたソマリア人海賊を演じた無名のキャストもリアリティに一役買っていたと思うし、実際の海軍衛生兵であるオブライエン看護師長役のダニエル・アルバートも適役。

 似たような海賊事件を扱ったデンマーク映画『シー・ジャック』ほどドラマ性は感じないが、それは事件の背景に深く入り込まないためだろう。
そこがこの映画で一つだけ物足りなく感じる点。
この体験がフィリップス、あるいはアメリカに何をもたらしたのか…そこに深みが欲しかった。

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