ラテンビート映画祭2013
『
ふたりのアトリエ ある彫刻家とモデル』
1943年、占領下のフランス南西部を舞台にアリスティド・マイヨールをモチーフとし、一人の彫刻家と運命的な出会いをする素人モデルの姿を描く。
本映画の彫刻家は、若き頃の情熱を失っていて、それを見かねた夫人が町で<魅力的な娘>見つけてくるという筋書き。
夫人の思惑通り、娘の若々しさに感化され夫の芸術魂が奮い立たせられたまでは良かったが、それが仇となるとはなんと皮肉なことか。
芸術家とモデルを描いた映画というとジャック・リヴェットの『美しき諍い女』を想起するが、個人的にはあちらほど緊張感はなく、実に淡々とした展開を見せる。芸術家とモデルとの間にある<芸術の認識の差>はピカソのエピソードを思い出す。
正直いうとこの映画のモデル役は十分魅力的ではあるが、エマニュエル・ベアールほどの“特別なもの”を感じられないのが少し惜しまれる。
(老いた芸術家の心に火をつけるほど理想的なのかという点が、今ひとつ説得力が欠けるような…)
それでも気難しい
彫刻家にキャスティングされたジョン・ロシュフォールは<ため書き>されただけありピッタリ。
夫人役にクラウディア・カルディナーレが配されているのも話題であろう。
彼女の若い頃ならモデル役も説得力十二分!!(笑)
全編モノクロで撮影された画質が美しい。
色彩はないが、
自然光や蝋燭の炎など光の捉え方が実に見事で、芸術的でさえある。
時折解説される美術論にはふむふむと頷いてしまうが、本筋の流れを停滞させているきらいも否めない。
BGMもなくとても静かでゆったり流れる映画なので、集中力が必要かも。
監督は『ベルエポック』で外国語映画賞を受賞したフェルナンド・トルエバ。
念のため、あくまでもインスピレーションの元がマイヨールであるので、現実の出来事とは同じではない。
本番用の素材での上映だったと思うが、こちらは修正なし!


芸術的だからでしょうか?
上映後にはトルエバ監督によるQ&Aが儲けられていました。
今回の映画祭で、初めてでした。
(なんでも初来日とか…)
11月16日よりBunkamura ル・シネマにて公開
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