『
そして父になる』
「自分ならどうするか…」
ずっと頭の中でこの言葉をリフレインしていた。きっと、同じ考えの人も少なくないと思う。
我が子を<取り違え事件>の被害にあい、さてどうするか…と問われて即答できる人はいるだろうか?
子どもの問題を主題に据えることも多い是枝監督のカンヌで審査員賞受賞作は正解のない問題提起。
提示されたた問題に答えはでなくとも観客に考えさせることが出来た時点で、ほぼもくろみは成功しているのじゃないか。
問題を突きつけられてオロオロするのは大人だが、一番の被害者は子どもたち。
その子どもたちの視点なくして問題解決はありえない。
「氏より育ち」という諺はあるが、外野の視点と当事者では開きがあっても不思議じゃない。
家族になるとは、親子になるとはいかなることか…難解なテーマがのしかかる。
子どもと大人、父と母、金持ちと貧乏人、複数の対比から構成される物語だが、これにさらに他の親子関係が重なり幾層にも不協和音を奏でる。
実際に子どものいない福山雅治だから、子どもとの関係が希薄なエリートという役柄をキャスティングされたのだろうか。
かたや町の人から愛される庶民派のオヤジに配役された
リリー・フランキーの上手さに舌を巻く。
それにつけても是枝監督は子どもを撮るのが…自然な芝居を引き出すのが実に上手い。
斎木家の子どもたちは本当の兄弟じゃないかと思える瞬間や、野々宮慶多役の子の
<不信感を宿した瞳>は脳裏に突き刺さる。
この手の問題が起きた時のプロセスは興味深かったが、前例100%で交換というのは本当か!?
具体数が気になる。
鉄塔が二組の家族を分断するようで意味深に感じた。
ところで、オープニング前のカンヌの特報映像は手前味噌なだけの冗漫なカットじゃないかな。
DVDの特典で十分でしょ?

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