『霊魂の不滅』
書店で見かける海外の分厚い映画ランキング書籍、
『死ぬまでに観たい映画1001本』 (スティーヴン・ジェイ・シュナイダー編)。
あまりに<重みがあり>手に取るのも躊躇われるが、そこにも取り上げられてあり映画史を代表する1本でもある本作。
それはスウェーデンのヴィクトル・シェストレム監督の代表作であるばかりでなく、後世に与えた影響という点でも見て置いて損はない。
なにより今見ても素直に感動するのだ。
(私は海外盤ソフトで見たけど、時折スクリーンにかかることもあるようだ)
1921年のサイレント映画で、フラッシュバックを多用した物語構成や二重露光などを駆使し、当時としては斬新なアイディアで作られたのではないかと推測する。
ある年の大晦日の出来事から、不幸な社会の犠牲者となり落ちぶれてゆく一人の人間に贖罪と再生の機会を与えるという古典的なテーマが描かれる。
当時を思えば至極当然ともいえる選択だろうが、
キリスト教がいかに生活に根付いていたのかも知れる内容。(マタイ伝、13章、7節の引用が見られる)
歴史的価値という点では、かの
イングマール・ベルイマンが賞賛して彼の『野いちご』の冒頭に現れていると指摘する評論家もいる。
生憎とそちらは未見なのでなんともいえないが、『第七の封印』での死神との対話シーンなども「もしかして?」と思わされる。
また、一説にはキューブリックの
『シャイニング』にも影響が見られるという。
確かに、
キューブリックが愛したといわれる作品のリストにはこのタイトルがある。
「ああ、このシーンだな」と一目見て分かるくらいに有名なカットで、ベルイマンやキューブリックマニアなら避けて通れない1本。
温故知新とは、まさしくこういうときに使うべき言葉なのではないか。
日本ではソフト発売がないので、見るのは大変かもしれないがその価値はあると信じる。
ログインしてコメントを確認・投稿する