『
オン・ザ・ロード』
翻訳作業は難しい。それは元の出来が良ければなおのこと。
海外で村上春樹が大ヒットした要因は何かと問うた時に、こう答えた人がいる。
「翻訳者が上手だったのでしょう」
別の言語にストレートな翻訳ですらリズム感を損ない語感の違いなど難易度が高いのはないかと想像に難くない。…とすれば小説から映画という別媒体への翻訳作業はさらに困難を極めるのでは?
思い切って別物として再構築した方がいいこともあるだろうが、なまじ原作に熱烈なファンがいるときは厄介だろう。私は原作未読なので比較は出来ないが、はたして原作ファンはどう感じただろうか。
青春時代、自分の居場所探しや可能性を求めて、あるいは自由を満喫するために若者は旅に出る。
目的地などなくていい、旅をすること自体が目的なのだから。
父の死がきっかけで“人生の旅”に出たサル。型破りなディーンとの出会いは運命を大きく変える。
アメリカのビート・ジェネレーション文学の代表作という
ジャック・ケルアック原作の映画化。
映画化のために終結したメンツが豪華。
ウォルター・サレス監督、フランシス・F・コッポラ製作総指揮、出演にサム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリスティン・スチュワート、エイミー・アダムス、トム・スターリッジ、キルスティン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセン…。
書き出すと錚々たる顔ぶれ。出来栄えは各人のセンスによるところが大きいかもしれない。
セックスやドラッグにおぼれ、快楽的・刹那的に生きた若者のお話で、アメリカが得意とする青春ロードムービーの一つ。
現在のモラルから言えば受け入れ難い人もいるだろうが、それが憧れだった時代も確かに存在する。狂熱的に時代を駆け抜けた若者たちの姿は風俗も含めて懐かしい気持ちにさせられた。
刹那的<終わりなき旅>の終わりはやはり物悲しく切ない…。
エピソードをつなぐサルのナレーションが洋服のボタンのようにつなぎ止めリズムを作り出し、いいアクセントになっている。原作を知らないためかも知れないが、サルの内面にスポットをあてた描き方を見せて欲しかった気も…。
どのショットも美しいのが印象的。
(ところで
クリスティン・スチュワートがここまで激しく際どい濡れ場を演じるのは初めてか?)
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