『
Upstream Color』
さぁ、困った。
難解な映画と覚悟はしてもこれはサッパリだ。
テレンス・マリックの映画を引き合いに出す人もいるが、あちらはあくまで<結果論>。
だが、こちらは<意図的>に混乱を狙っている。
蘭、イモムシ、人間、豚…と輪廻やメビウスの輪という言葉を思わせる不思議な繋がりを見せ、現実とも幻想ともつかない映像が目まぐるしく混線して語られている印象。
デヴィッド・リンチの難解さにミヒャエル・ハネケの不快感を足したような印象も覚える。
監督・脚本のシェーン・カルースの前作『プライマー』は未見だが、こちらもかなりのものだったらしい。ともかく一度見ても分からないであろうことは確か。いや、何度見ても分かる保証はどこにもない。
アートを気取ったマスターべーションと斬り捨てても良いけど、そうキッパリ断罪するにはどこか惹かれるものもある。終始流れ続けるミニマルでアンビエントなBGMも不思議な魅力を備えている。
それが証拠(?)にサンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞している。
届く人には届くのだろうか…。
ただ監督自身は無理に分かって欲しいと思って作っていないと思われるので、各々あるがままを受け止めておけばいいのかもしれない。
それでも、あえて想像を交えて解釈すれば、蘭の花は女性器にたとえられる事も多く、豚は臓器が移植に使われるほど人間に近い動物の一つ。
…とすれば、そこから導き出されるのは<生命の誕生>であり<人間>の代弁であろうか。
また、劇中に登場する蘭の色は自然界にはなく、<
遺伝子組み換え>で実現されたとのこと。
これらを関連付けることの意味と全体から感じられるメッセージは<
遺伝す組み換えや行き過ぎた動物実験などは人類の未来に対して無益さのみを与える>という警告なのだろうか。
(日本公開未定)
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