『
終戦のエンペラー』
ハリウッドに限らず、海外が日本を描くときは<
日本人が知らない日本>になっていることは珍しくない。
その点で、この映画で描かれる<日本>にさほど違和感を感じないのはプロデューサーの一人が日本人ということもあろうか、…ようやくこの段階になったのかと嬉しくなる。
第二次世界大戦で日本と戦ったアメリカが終戦後の日本の処遇をどうするのかという難題に向き合うに際し、知日派の将校を立てて最大の戦犯探しというミステリー仕立てで話は展開する。
描かれる内容は、フィクションとして付加された将校ボナー・フェラーズと日本人女性アヤとのラブロマンス以外はほとんど新鮮味は感じない。
それでも最後の<あのシーン>にはグッと来るものがあり、組み立ての上手さや演出の巧みさを感じる。
フィクションであるアヤへの愛慕の情は、ボナー・フェラーズの日本に対する心情そのものとして表現されているのだろう。夢想的に見えるのはそのためかもしれない。
英国出身のピーター・ウェーバー監督ゆえ日米どちらにも偏らないバランスを保つことが出来たとも聞く。結果的にこの人選は良かったのではないか。
概ねキャスティングも納得だが、関屋貞三郎を演じた夏八木勲が公開を待たずに他界したことは気の毒である。
映画の核心を離れてみて、素晴らしいと感じるのは上司と部下の関係。
やや好人物に描かれすぎな気もするが、マッカーサーの姿勢は理想的な上司に思える。
さて、これから日本を描く外国映画のスタンダードになるかどうか。
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