『
最愛の大地』
アンジェリーナ・ジョリーが怒っている。国連UNHCRの親善大使を務め、人道的活動でも知られるアンジェリーナ・ジョリーが自らメガホンを取り初長編映画となった本作からは彼女の怒りが伝わる。
第二次世界大戦後に欧州で起きた戦争で最悪といわれるボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を見てみぬふりをしてきた“世界”に対してのアンジーからの怒りのメッセージに他なるまい。
紛争が起きた日を境に敵味方に引き裂かれた一組のカップルを軸に据えるという庶民にも分かりやすい視点で物語をつむいだのはなるほどと思う。
ただ、ロミオとジュリエットのように純粋さや一途さは感じず、悲劇性が別のところに落ち着いているようでもある。
レイプに強くフォーカスが当たっているのは女流監督だからだろうか。
画家を目指したヒロインが籠の鳥として囚われていた白いキャンバスのような部屋の壁に描かれる<
絵の具>が鮮烈な印象を残す。
ただ微妙なズレも感じてしまう。
劇中でボスニア軍の将軍に紛争の火種については<複雑な事情がある>と語らせているにもかかわらず、
加害者と被害者の区分けに単純な図式化が出来上がってはいまいか。
オマケにメインキャストは
現地出身者を使いながらも英語劇…しかも微妙になまった英語というのには苦笑した。
意義あるテーマだからこそアプローチの仕方が少し惜しまれる。
試写会@文京ホール
8月10日から全国ロードショー
ログインしてコメントを確認・投稿する