『
ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡』
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品に対して「拾い物」といったら失礼な言い方だが、観られて良かった。本当に良かった。
消費社会の現代。世界最大のゴミ集積所を持つブラジルではリサイクルのために、毎日ゴミの集積所で必要な物資を拾い集めて小銭を稼ぐ人々がいる。
そんな彼らに心を痛める同国出身で現代芸術家の<ヴィック・ムニーズ>。
ある日、彼らをモチーフにして芸術作品を作り、売り上げを還元しようと思い立つ。
自身が貧しい出自と郷土愛、成功者の責務としての社会貢献…。その心根は良く分かるし尊敬に値する行為。
少し偽善くさいが、そうではないと思う。それほど単純に世の中の計算は出来やしない。
描かれる<
ゴミをアートに変える作業>自体だけでも面白いが、それ以上に関わる人たちとのコミュニケーションにこそ見るべきものがある。
希望とは程遠いところで生きていた人々にアート制作作業はどう影響を与えるのか。
他者と関わることは彼らのメンタルに大きな変化をもたらす。
だが、影響は互いに受けるもの。
ここには
WIN-WINの関係が築き上げられている。
ギリギリの底辺に生きていた人々が<尊厳>を取り戻してゆく姿に泣いた。
そして、冒頭で彼らの一人が語っていた言葉を思い出す。
「
これはゴミじゃない。リサイクルなんだ!」
自ずとそこで働く人々と重なり、また泣いた。
映画を包むモービーの音楽も素敵。
しかし、映画に匂いがなくて心底良かった…とも思う。(笑)
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