『
ホーリー・モーターズ』
痛快!
かつて<恐るべき子供たち>と呼ばれた筆頭であるレオス・カラックスの13年ぶりの長編映画がまさかこういう手法でくるとは!
既成概念への挑戦状とでも言うべきか。
いつかどこかの話で、指令に従い様々な役柄を演じる<オスカー>のある一日を描く。表面的には“俳優業”そのものだが、カメラの存在がない。まさに視点を変えて見なければ分からない作品。
監督曰く、「
SFの世界にいる主人公」だという。いかなる意味でSF的なのか、役柄を演じている人間に命令しているのが<誰>なのかが解読の鍵。SF的というよりも「もしも…」の世界といった方が分かりやすい?
描かれた内容から深い人生哲学を読み込む人もあるだろうし、見返すたびに発見がありそう。
映画的お遊びとでも言うべきなのか、誰もが知っている
日本の有名特撮映画の音楽が引用されていたり、とにかくやりたい放題。
それぞれのシークエンスの意味が分からなくとも、キャロリーヌ・シャンプティエの撮影による各ショットの美しさは脳裏に残る。
一見、難解にも思えるが、これが寓話であるならば、名演技を繰り広げる主人公に付けられた<オスカー>という名や映画のインサイドものに見えることなどからも<映画愛>に通じているのではないか。
そして、それは危機的状況を憂えていることにも…。
オスカーを演じきったカラックス映画お馴染みドニ・ラヴァンの怪演(快演?)は必見。
まずは先入観なしで見て欲しい。きっとラストはあっけに取られるだろう。
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