『
ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女』
「自分ひとりくらい」とゴミ一つを捨てても大局的には変化はないかも知れない。
しかし、「自分ひとりくらい」が積み重なって環境汚染は始まる。
不思議な映画、多分見た人の多くは同様に感じると思うが、実に不思議。
この映画を語る時に
宮崎駿という名前が挙がるのはうなずける。
単なる偶然ではあるまい。
舞台は明記されていないがルイジアナ。なおかつハリケーン「カトリーナ」に材をとっていると思われるのだが、ファンタジーともリアルともつかない世界が広がる。
子どもの頃は<サンタクロース>や<トイレの花子さん>などを信じやすく(笑)、
リアルとファンタジーの境界線が曖昧なもの。
この作品も同様なのは少女ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)の視点で描かれるためだろう。
蘇るモンスターの容姿や温暖化の脅威を思わせる水に沈む町など、宮崎アニメを思わせるシーンがそこかしこに見られる。
(ハリウッドにしては)驚くほど低予算ながら、それを感じさせないスケール感とプリミティブで力強く詩情溢れる映像美にやられる。
有名な俳優は一人も出演していしない、そればかりかほとんどは初演技ということらしい。
それにしてはあまりに自然で驚く。手持ちカメラを用いているのは予算の都合や臨場感を出すためだけでなく、キャストに意識させないための工夫でもあったか。
アカデミー賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレスの自然な立ち振る舞いも見事というほかない。
ファンタジーらしく至る所に暗喩的メッセージが見え隠れし、やさしい音楽が映画を包む。
もしも狂った世界を変えることが出来るとしたら、それは<誰かの第一歩>から始まる。
それが<ちっぽけな自分の一歩>であってもおかしくはないはず。
4月公開予定
サンダンス映画祭グランプリ受賞・カンヌ国際映画祭カメラ・ドール受賞
アカデミー賞作品賞・主演女優賞ノミネート
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