『
二郎は鮨の夢を見る』
日本版ミシュランガイドが創刊された年から『三ツ星』を守り続ける鮨店<すきやばし次郎>。
その店主である小野二郎(お店は次郎だが、当人は二郎)をメインにインタビュー形式で捕らえたドキュメンタリー。そこにはプロが認めるプロの世界が繰り広げられる。
<すきやばし次郎>といえば、数ヶ月前に『ウルヴァリン:SAMURAI』の撮影で来日した
ヒュー・ジャックマンも何度か通うほどお気に入りらしく、またこのドキュメンタリーのファンでもあるらしい。
テレビ番組出演などでも知られる料理評論家・山本益博の案内で始まるが、他はごく日常的な築地などの景色が見えるだけで、まさに<
余計なものは足さない>という鮨の原点にも通じるスタンスで作られている。
(もっともBGMのみサポートの意味で足しているが、足しすぎてはいないと思う。さすが
フィリップ・グラス!いい仕事!!)
撮影が大変美しい、光の取り込み方がウマイのだろう。
見ているうちに涎が出てくる。(笑)
およそ大抵の日本人ならば推測のつく部分も多々あるだろうが、それでも気づかされる箇所もある。
タコやマグロの解説には思わず唸る。
優雅で無駄のない動き、とことん材料にこだわり、最良の技法を求める姿は(風貌もあいまって)お坊さんのようにも見えなくもない。
真の職人の姿とはいかなるものかを見せ付けられ身が引き締まる。
いまや世界中で日本を代表する料理として認知されている鮨だが、将来に不安がないわけではない。さらりと触れている程度だが、それは世界中の問題でもあろう。
今こそ知恵を出さなければならないとき。
これで<次郎のお鮨>がついてくれば満点。
かのジョエル・ロブションをして<天国に一番近い席>と言わしめたカウンターで食して見たいものです、…が、一人最低3万円からというのは厳しい。皆が皆ヒュー・ジャックマン並みのお財布を持ち合わせていないんだから…。(苦笑)
《蛇足》
アメリカではすでにソフト化されていて、全編日本語のみなので、鑑賞には不自由はないはず。
鮨がいかなるものかを知っている日本人にとっては【特典映像】の削除シーンにこそ興味深い箇所が見え隠れする。
(逆に言えば、それゆえ本編から外したのであろう)
お米マスターの話はとても説得力があった。
さすがロブションも絶賛しただけのことはある。
2013年2月2日より公開
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