『
ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』
両つま先,両膝を外側に開き両かかとをつけるファースト・ポジション。
全てはここから始まる。
一口に夢というが、自分で意識してから始めては間に合わない世界もある。
バレエもその一つであろうか、それぞれ立場の違いはあっても目指す舞台は一つ。
NYで開催されバレエ界の登竜門の一つであるユース・アメリカ・グランプリ。
その頂点を目指す子供たちを追った感動的なドキュメンタリー。
優雅なダンスの裏側にある熾烈な訓練や葛藤は予想されることとはいえ、遊びたい盛りの幼い子供たちには辛いこともあるだろう。
各地から予選を勝ち上がってくるとなれば、技術的には高いレベルであろうが、必ずしもファイナル・ステージはベストで挑めるわけじゃない。
期待されながらも実力を発揮できないもの。なぜか本番には強いもの。
もちろん、基礎実力があっての話だが、やはり
メンタルの比重が高い競技なんだと思わされる。
自分との戦いに勝てない者に<運命の女神>は微笑まない。
どこまでもポジティブであろうとする者には、胸の内が熱くなり知らず知らずのうちに応援したくなる。
また、それぞれのサイドストーリーの魅力が作品の輝きを増しているように思える。
(愛されキャラのジュールズには笑わせられっぱなしだが、内戦で両親をなくしたミケーラのケースはあまりにも過去がヘヴィ過ぎて別のテーマになってしまいそうだった。)
監督は自身も子供時分にバレエを習っていたというベス・カーグマン。
それゆえなのかいくらかキレイに終わらせようとしすぎかな…という些細な疑念もわく。
コンテストだから当然勝敗はつく、しかし彼らの人生はここで終わりじゃない。
失敗したものも、またいずれ新たな<ファースト・ポジション>につくだろうし、勝者とて今後の保証があるわけではない。
14歳でバレエを“引退”余儀なくされた監督なればこそ描ける着地点もあったのではないか。
試写会@なかのZERO大ホール
12月1日より順次公開予定
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