『
希望の国』
東日本大震災後の原発問題に園子温監督は特徴ともいえるグロやエロを封印して直球で挑む意欲作。
掲げられた理念は立派だと思うし、真っ向から取り上げた勇気や気概、スポンサーがつきにくい中奮闘されたことにも敬服するが、それと
映画の評価は別物というのが本音。
決して内容がストレートすぎるからではない。
映画の舞台である架空の地<長島県>が長崎・広島・福島ということを想定した地名であることは容易に想像がつくし、あえて特定しないのは全国民の問題として考えて欲しいからだということも。
だが、登場人物たちに共感できない。
カリカチュアされヒステリックで身勝手な人たちに思えてしまう。
内容から<東日本大震災>以降の世界だと分かるが、提示された世界としっくり来ない。
3.11以降に報道された内容をもう一度並べなおしているようにしか見えない。
何があっても反省せず、同じ過ちを繰り返す愚かな日本人という皮肉だろうか?
ならばその大前提の時点で希望はない。教育や啓蒙が目的ならば別の表現方法があったのではないかというのが個人的感想。
認知症と言う病気を持ってきたのも論点を曖昧にしている恐れがあるように思える。
いいたいことは分からなくもないが、せめて<
震災をきっかけに…>とは出来なかったか。
最後の行動もナルシシズムくさい印象を受けて嫌悪感すら抱く。
(この点もあり認知症は避けるべきではなかったか。)
せめてもの救いは夏八木 勲の芝居であろうか。
まじめな話、
反原発というテーマに限れば『東京原発』の方がよほど出来は良かったと思う。
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