『
アルゴ』
俳優業にかげりが見えた後で監督業に挑戦してみたら実は“才能”がありました…というベン・アフレック“監督”の3作目。
実際にあった1979年のイランアメリカ大使館人質事件を娯楽映画としてスリリングに再構成。
馴染みのない人のために冒頭でベースとなるイラン革命をさらりと簡潔に紹介。(ありがたや〜)
劇中、偽映画『アルゴ』の制作を使って脱出計画を図るということだが、映画ファンに『アルゴ』と問えばハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険』と言うことになるだろうか。さすればこの企画は
『アルゴ映画隊の大冒険』と見ることも出来ようか。(笑)
冗談はともかく、オスカーの呼び声高いのもうなずけるほど演出・撮影・編集とどれをとっても高水準の出来栄え。当時を思わせるフィルム質感も心憎い。
偽の映画撮影チームの結成は、ハリウッド映画界のインサイド物としても楽しめるし、実在の人物と似せたキャスティングやメイクも見事。何より<別人になりきるプロセス>というあたりも含めどこまでも映画的な世界を感じさせる。
また、無謀な計画に反対する人物に見せ場を持たせるなど、演出の老練さは監督業のキャリアの浅さを感じさせない。
それだけに気になることもある。
そもそも悪いのは他国に内政干渉したアメリカなのじゃないか?
無論、それを描く映画ではないだろうが事件の根底が気にはなる。
映画というフィクションが事実を塗り替えている可能性はないのだろうか。
蛇足ながら今の時期の制作&公開は、ベンが熱心な民主党支持者であることと無関係ではあるまい。そういや、プロデューサーのジョージ・クルーニーも民主党支持者ですよね。(笑)
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