『
推理作家ポー 最期の5日間』
作品を読んだことがなくとも名前くらいは知られていようアメリカを代表する作家エドガー・アラン・ポー。彼が後世に残した影響は枚挙にいとまがないほど…。
史実に残る<ポーの死にまつわる謎>に、彼の作品を引用しながらメタフィクションを組み立てて見せる視点に工夫が見られる。
舞台がアメリカにもかかわらず、暗鬱たる雰囲気が漂うのはロケ地となった東欧(ハンガリー、セルビア)の空気が見せる幻想だろうか。ミステリーらしさが増して、この点では期待が膨らむ。
しかし、良かったのはここまで。
どうにもジョン・キューザックでは陽気すぎてポーのイメージとはかけ離れている気がしてならない。
私の中ではもっと根暗なイメージだったので、このキャスティングは疑問。舞台の空気から浮いて見える。
逆にエメット・フォールズ刑事を演じるルーク・エヴァンスはルックスが良く、時代の感じにも合致し女性に人気が出そうなタイプ。
ポーに挑戦状を叩き付けるかのように彼の小説を具現化する猟奇的な犯人像と動機が一番の焦点だと思うが、その
謎解きの部分が映画を<スケールの小さな話>にした“犯人”に思えてならない。(監督が『Vフォー・ヴェンデッタ』のジェームズ・マクティーグだと知り妙に納得したが…)
ポーの小説にたいした知識のない私には<言葉遊び>以上の何かには感じられなかったが、原作に造詣の深いポーのファンならば引用された小説にパズル的な楽しみを味わうことが出来よう。
試写会@よみうりホール(10月12日より全国ロードショー)
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