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2012年10月03日00:40

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第9回ラテンビート映画祭『Estudiante』『ゾンビ革命』『Sugar Man』

 今年のラテンビート映画祭は昨年に比べ<目玉>がないためか、それとも映画離れなのか、もしくは不景気のためか本当のところは知らないが空席が目立つ。
来年以降が少し心配…。

 台風上陸となったこの日(30日)、当初2本のつもりだったが、間が開いてしまうのと台風で時間つぶしの外出が面倒になったのもあり、連続3本見ることとなった。あせあせ

 まずは一本目。『Estudiante(エストゥデイアンテ)』

 “学生”というタイトルが示すように、アルゼンチンのある大学での権力争いをめぐる闘争を描いたもの。
日本とは違いそれぞれが遠慮なく意見をぶつけ合う姿は、60年代の学生運動を思い起こさずにはいられない。
授業そっちのけで選挙運動にのめりこむ主人公は社会人経験をつんでいる。
教師と年齢的にも対等ということもあってかズケズケものを言う姿は辛らつだ。
恋も政治信条もストレートにぶつけ合うエネルギーにはただただ圧倒。
どこの国でも大なり小なりあるのだろうが、選挙活動をめぐる腐敗した現実というのは、ひいては国全体の政治そのものを指しているのだろう。

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 そもそも関係者しか分からない用語も多いし、臨場感を高めるためのハンディカメラやセリフの多さで見ていて疲れるが、社会派ドラマが好きな人には堪能できるかもしれない。
主人公のラストの態度に製作者の希望を見た思いがする。ぴかぴか(新しい)

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『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド』

 世界に拡散したゾンビは資本主義の国でなくとも現れる。
舞台となるキューバにも魔の手は訪れるのだ。ウッシッシ
自由がなく経済的にも行き詰るキューバの現状をシンボリックにコメディ色たっぷりに皮肉ってみせる作品。
この国では<生きているもの>と<死者(ゾンビ)>の違いなど存在しないというアイロニーも効いている。

 救出に現れた外国人牧師の<ゾンビ一網打尽>方式に爆笑。
しかし、<外国人><神の使い>ですら救いきれないというあたりが、この国の有様なのだろう。
一つ一つのセリフや小道具にこめられた意味は分かり易すぎるほど痛快。

 主人公はブルース・リーかぶれという設定で彼のパロディも散りばめられているが、<権力に抵抗したシンボル>というだけでなく、キューバがまだ元気だった70年代の象徴の意味合いもあるのではないか。
それが証拠にエンディングに採用されたのは70年代にヒットした曲。るんるん
笑った後でしんみりと考えされられる。

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(10月27日より新宿武蔵野館にて一般公開)


『Sugar Man(仮題)』

 シクスト・ロドリゲスという歌手を知っているだろうか?
70年代初頭に労働者たちの貧しき生活を歌い上げた素晴らしいアルバムを発表しながら、たった2枚で忘れ去られた伝説の男。これは熱烈なファンが彼の足跡を追ったドキュメンタリー。
よく「運も実力のうち」というけれど、ほんのわずかな運がなかったがために“第二のボブ・ディラン”になれなかったとは、なんとも勿体無いほどの才能を感じる。

 当時、本国アメリカではほとんど知るものもなかったらしいが、どういうわけか南アにレコードが渡り爆発的ヒットとなり、リベラル層の間では隠れたアンセムとまでなっていたという事実。
ブラックリストに載ったレコードはいかなる扱いを受けるのかを含めアパルトヘイト下での検閲の一端が垣間見えて興味深い。
映画から聞こえる彼の歌声が実に心揺さぶる。
たとえて言えばボブ・ディランの背筋をしゃきっとさせた印象。(笑)
声が立っているのが気持ちいい。
(個人的には同時期のボブ・ディランやストーンズよりも好印象)

 こういうのと出会えるから映画祭めぐりはやめられない。
もっとも来年に一般公開されるようです。
脱線しますが、先日海外盤で見た「The Best Exotic Marigold Hotel」は今年のTIFFで招待作品として公開されます。(ということは一般公開があるということですね。邦題は『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』)
ついでに『Martha Marcy May Marlene』の邦題も『マーサ、あるいはマーシー・メイ』に決定。(2013年2月シネマート新宿)
しかし、逆に2009年TIFFで上映されたジャック・リヴェットの『小さな山のまわりで』は未公開のままソフト化されてしまいました。(『ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー』)今の日本ではジャック・リヴェット+ジェーン・バーキンじゃ無理なのかな?(涙)

ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー Blu-ray
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=11939455&id=1627607

話を戻します。

 70年代のミュージシャンの何人かがそうであったように、彼にも<謎の劇的な死>という伝説が諸説ついてまわる。
<ドラッグの過剰摂取で死んだ>とか<ステージで焼身自殺した>など…。その真偽を確かめるべく関係者を訪ね歩くのだが、アメリカで彼のアルバムのプロデュースをした人物に辿り着いた時に映画は<奇跡の扉>をあける。

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 40年前、素性の知らないアーティストのアルバムがアフリカ大陸に渡り、かの地で英雄的存在にまでなった彼の存在は、まさに今私の中でも英雄となった。

http://www.youtube.com/watch?v=Qh-99_1k3mE
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