『
ウェイバック 脱出6500km』
<
自由は与えられるものではなく、勝ち取るものだ>とはよく聞く言葉…、1940年シベリア矯正労働収容所に連行された戦争の犠牲者たちが、過酷な試練に立ち向かい逃亡した実話を基に描かれた極限のサバイバルドラマ。
ピーター・ウィアーの手堅い演出が冴える。
ジム・スタージェス、エド・ハリス、コリン・ファレル、シアーシャ・ローナンなど錚々たる面子を揃え、実際にサバイバルの訓練を経て撮影に挑んだというリアルな演出から強い感動を受ける。
主人公を演じるジム・スタージェスもいいが、一癖ありそうなロシア人捕虜を演じる
コリン・ファレルが実に良くキャスティングのアクセントになっている。また、生死の限界点を感じさせる
エド・ハリスの名演技にも唸らされた。
しかしなんといっても特筆すべきは、“もう一人の主人公”と言ってよい大自然のロケーションであろうか。ただただ圧倒される。
人は限界を超えたときに幻想を見せる、あらゆる希望に向かって…。
時に見ているのが辛い場面もあるが、身動きできなかった。
どんなときも苦難の道を切り開くのは<意志の力>に他なるまい。
途中で<神の死>を思わせる箇所があったのは、それゆえだろう。
主人公がなぜ過酷なまでの逃亡劇を繰り広げるのかという本心を知り、たどり着いたラストに涙する。
(9月8日より公開)
ログインしてコメントを確認・投稿する