『
ダークナイト ライジング』
制作サイドも”バットマン自身”も疲弊している。
傑作『ダークナイト』の後を継ぐ作品制作は長考を重ね原点回帰を果たしたかのようだ。
『
二都物語』に構想を得たというが、なるほどラストまで見ると頷ける気がする。
人は誰しも光と闇を持つ。
どちらが色濃く出るかが、人生を決める。
しかしここではもはや信じられるものをなくした<闇>しか残されていない。
それほど喪失感の大きな世界に住んでいる。
やはり気になるのは、今回の悪役ベイン(トマス・ハーディー)のキャラクター像。
理ではジョーカーに劣るがフィジカルでは勝るといったところか。
構成が『バットマン ビギンズ』を思わせる中、差別感を出すためか<意外性のある謎>を仕掛けてくる。
だが、それが混乱の元になってはいまいか。
ずいぶんと回りくどく手の込んだ仕掛けが尺の長さを延ばしているなら問題かも。
思い起こされるのは、冒頭でキャットウーマンは<何をしたか>ではなく<なぜしたか>なのだ。
最後も幾分ご都合主義的解決に思えなくもないが、それらを力でねじ伏せられるほどのプロダクションの凄さを見せ付けられた。
市街戦、空中戦、暴動、爆発、肉弾戦…
感覚が麻痺するほどにダーク面に引き付けられる。
ありとあらゆるビジュアルに打ちのめされる。
レギュラー陣に加えジョセフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール 、アン・ハサウェイと共演者も豪華。
もはやハンス・ジマーのスコアなくして語れないほど戦慄を覚える旋律。
鼓動とシンクロして息苦しくさえなる。
過去のシリーズを知らないと不明な点もあるが、そこも含め
<つながり>が大切なキーワードとなっているのではないか。バトンは手渡される。
こんな時代だからこそ信頼感を大切にしたい。
ログインしてコメントを確認・投稿する