『
きっと ここが帰る場所』
誰しも人生という長き旅路で迷い道にもぐり込むこともある。
ショーン・ペン演じる素直になれない偏屈男が愛しい。
見た目は幾分珍妙なれど、展開はありがちなロードムーヴィーかと思いきや、思わぬ方向に話が進む。
本作の魅力はなんと言っても主演
ショーン・ペンの怪演に尽きるだろう。
白塗りでボサボサの長髪、真っ赤なルージュにモゴモゴした声の落ちぶれたロックスター<シャイアン>。
パオロ・ソレンティーノ監督の『イル・ディーヴォ』に魅せられて今回のコラボとなったというが、(主演の怪演という共通点はあるが)タッチは少し違うように思う。ショーン・ペンの芝居もあってかコミカルさとペーソスを感じる。まさに人生泣き笑いといったところか。
シャイアンは長年、袂を分っていた父と思わぬ形の再開。
<旅の途中>だった父親の意思を受け継ぐようにプチ復讐の旅にでる息子。
「何故なのか」明快な答えもないままに出会う人々に感化される。
目的に近づけば近づくほど、迷いは深まり自我が頭をもたげる。
社会からドロップアウトし断絶している者同士と、まるで社会から断絶されたような風景の対比が面白い。
人生を“辺境”に追いやっていた男が<
居るべき場所>に帰結するラストに安堵。
余談ですが、『イル・ディーヴォ』はこれまでイタリア映画祭とイマジカ(CS)放送のみでしたが、8月にヒューマントラストシネマ渋谷にて限定上映があるようです。
http://sandaifestival.jp/
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