『シュン・リーと詩人(仮題)』@
イタリア映画祭2012
どこの国の小さな町でも中国人労働者を見かけることは珍しくない。
渡航資金で借金を作り、それの返済のために必死で働く。
かつて日本人も南米などに移民したことを思い出す人もいるのかも。
昨今の欧州映画でよく描かれるのが
移民と貧困問題。
まさにドンピシャのテーマを内包。
他国の言葉も習慣もろくにわからず、自国が嫌いでないのに飛び出したい人は稀有と思われる。
しかし、ここには生きるために国を出なければならない事情があるのだ。
映画はヴェネツィア近くのキオッジャを舞台に、
イタリア社会において異文化である中国…彼らの抑圧された生活を描いてみせる。
言葉や文化の違いを乗り越えて接する“移民の先輩”に希望を感じる一方、交わることを<よし>としない偏見・不条理もまた人間のなせる業。
主人公シュン・リーを演じるのはチャオ・タオ。いかに苦しくとも明るく振舞うけなげさに惹きつけられる。
イタリア人監督が撮った映画なのに、中国人の方が自然に写るのが面白い。しかもチャオ・タオ以外はほとんど素人だというのに。
シリアスなテーマにもかかわらず、<
大人の童話>を見るような浮遊感が体を包む。
美しいラグーナ(潟)の風景も作品に詩情を添えていると思う。
この冬、シネスイッチ銀座他にて公開。
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