『シャッラ/いいから!』@
イタリア映画祭2012
脚本家として活躍してきたフランチェスコ・ブルーニの初監督作品。
「この脚本だけは他人に譲りたくなかった」というだけあり、笑いの中にシリアスなテーマを織り込んだバランスよく楽しめる作品。
主人公は元教師で、現在はセレブなどの自伝を書くゴーストライターで生活している気ままな独り者のブルーノ。
ある日、「
あなたの息子なのよ」という衝撃的なセリフとともに仕事の都合で留守にするシングルマザーの息子ルカを預かる羽目になる。
そこから始まる奇妙な親子生活。
社会から<はみ出した>という共通項目が鏡を見るようである。
現在、父親の権威が凋落しているのは何も日本だけに限った話ではないらしく、そんな彼らにエールを贈るために書かれたという。
なるほど、年の離れたまるで少年のような二人(老いた男と若い男)のぎこちなくも成長する姿はどこか応援したくなる。
タイトルの
「シャッラ」とは若者のスラングで「まぁまぁ、いいから、落ち着いて」とうようなニュアンスらしい。
完全な予定調和にならないラストも個人主義の成熟した欧州ならではという印象も受ける。
主人公の名前が“ブルーノ”でゴーストライターという職業を鑑みると、これまで他人のために脚本を書き続けたブルーニ監督自身が投影されていると考えても不自然な話でもあるまい。
根底に教育の大切さがあり滑稽な中にも暖かさがにじみ出て、
人生のリスタートに遅すぎることはないと励ますような頼もしい脚本である。
一般公開を望む。
(今回、父と一緒に来日した娘さん。息子もいるらしい。)
ログインしてコメントを確認・投稿する