備忘録、TOKYO FILMeX 2011
『
豊山犬』
いわゆる南北物。
キム・ギドクが脚本・プロデュースを手がけているという話なので、興味を持った。
キム・ギドクの元で助監督を務めたチョン・ジェホンの2作目だが、期待通りギドクらしいタッチがよく出ていると思う。
低予算をものともしない力強さには、いかに南北問題に心を悩ましているのか、その真摯な想いが伝わる。
南北の停止線(軍事境界線)を越えて物資を運ぶことを稼業をしている男に北から亡命した高官の愛人を<運ぶ>ように仕事依頼される。これまでにない<大荷物>にどうするのかと思うが、寡黙で愛想のない仕事人はいかにも<出来そうな>ヤツ。
タイトルになっている「豊山犬(原題)」とは北朝鮮のタバコの銘柄だが、出自もハッキリしない<犬>のような主人公の暗喩。
予想通り政治的な絡みと男女の関係が降りかかってくるが、スリリングな演出もあって一気に楽しめる。
かなり無茶苦茶な停止線突破だが、手法は中々面白い。
<一仕事>終えた後の展開こそが見所か。
人間の醜い側面がクローズアップされ、権力者に翻弄される庶民の嘆きが刻まれている。
北も南もどちらにも肩入れすることないクライマックスの演出には、「よくぞやってくれた」と溜飲が下がる思いもする。
娯楽作品に仕立てながらも社会批判をしっかり盛り込むあたりはさすがという他ない。
字幕翻訳は根本理恵さんだったので、一般公開が決まっているのかと思いましたが、まさにその通りで本年度公開予定らしいです。(夏頃の予定で公開邦題は『プンサンケ』)
いやぁ、やっと昨年の宿題が終わりました。
イタリア映画祭の前に終わってよかった。(笑)
週末から始まるイタリア映画祭は、体力的にはキツイ戦いになりそうです。
(早くも備忘録の再開の予感…

)
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