備忘録、
第24回TIFF
『アルバート・ノッブス』(コンペティション)
もし、男に生まれたならば。もし、現在に生まれたならば。もし、そのまま母の元で育っていたならば…。これは<時代・性・家庭環境>等により不遇な生き方しか許されなかった女性の話。
男性に頼らなくては生きてゆけない19世紀のアイルランド。
そんな厳しい時代だからこそ本来は女性だが<男>として生きる“アルバート・ノッブス”。
いくらなんでもバレルだろうと思うが、ここで『ガタカ』をちょいと思い出す。
<普通の男性以上に完璧な仕事ぶりと男らしさを見せ付ければ、世間は評価してくれる>。
まさに(生理的な部分以外は)理想的な男性を演じるのだ。
そんな彼女…いや彼にはささやかな夢があった…。
生活のため本来の自分を押し隠してきた“アルバート・ノッブス”があることをきっかけに自らの仮面を取り払おうと自我を見せるあたりに人間らしさが良く出ている。
『愛する人』で高評価を得たロドリゴ・ガルシアが監督を務めるが、むしろ主演のアルバート・ノッブスを渾身の演技で魅せ、脚本にも参加した
グレン・クローズの作品だろう。
すでに舞台で演じていて愛着が深かったらしいが、そのこだわりは随所に感じる。
背丈と声質で微妙かなとも思うが、どうしてどうして中々の“おじさん”ぶりだ。(笑)
むしろ、<自然な格好>の方に違和感を覚える。(苦笑)
衣装や風俗が丹念に描けているように思え、その意味でも楽しめる。
脇には今が旬のミア・ワスコウスカやアーロン・ジョンソンを起用。
しかし、なんと言っても
男前のペンキ屋さんにノックアウト!
グレン・クローズが感じたであろう女性であるが故の世の不条理や正しい努力が認められないことへの憤慨がにじみ出る作品。
(年内公開予定)
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