備忘録、
第24回TIFF
『ある娼館の記憶』(ワールドシネマ)
20世紀初頭のパリの高級娼館、現在の人間模様の縮図のごとく女性たちは馴染み客に愛されるべく自分を磨く。置かれた状況は決して満足いくものではないとしても時に助け合いながら生活していた。
そんな様子が退廃的で
絵画を思わせる完璧なライティングと構図で描き出される。
見るものすべてが時代を偲ばせていて見事な景観。
舞台が舞台だけにエロいシーンやグロいシーンも見え隠れする。
職業上の病気や客とのトラブルがシリアスに迫ってくる。
当時の流行りであろうか、<
日本の遊郭ごっこ>には思わず頬が緩む。
ほとんど娼館から抜け出ることなく描かれて、まるで舞台劇を見ているかのようでもある。
嘘かマコトか知らないが、<
娼婦と窃盗犯には共通項目がある>という話を聞く。
詭弁にも思えるが<どちらも頭が弱いから大人(社会)が守って行かねばならないという>もの。
徹底的に当時を思わせる描写にあって、唯一現代的なのは音楽。
ムーディー・ブルースの<サテンの夜>を初め、モダンな曲が彼女たちの問題を一気に<今>へとつなぎとめる。
はたして現在は“あの時代”の娼婦よりもマシな生活なのか。
(6月2日より公開、一般公開邦題『メゾン ある娼館の記憶』)
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