『
ミッドナイト・イン・パリ』
行き詰ったカップルが息苦しいハリウッドの映画産業と重ね合わさる。
創造性とはかけ離れ、安定した興行収入が見込める作品しか求められず不平不満が爆発しそうなハリウッドの脚本家ギルはまぎれもなくウディ・アレン監督の代弁者であろう。
しかし、オーウェン・ウィルソンとはずいぶんイケメンに変身だ。(笑)
最近はNYを離れ、ロンドンやバルセロナなど欧州を舞台にすることも増えたウディ・アレンだが、今回は芸術の頂点とも言うべきパリを選んできた。
冒頭から映し出される美しいパリの街並みに気分は観光客。
ギルの芸術の理想は1920年代のパリにあるらしい。
そこでは誰もが自由で芸術を語り合う…。
そんな現実逃避の願いが届いたのか、
シュールな夢とも幻ともつかない場面に遭遇するところから話は大きく展開する。(ここから先はご自身の目で…)
人は誰しも過去にロマンを求めたがる。だが、
本当に<憧れの時代と場所>に生まれたら悩みはなかったのか…。
現実を直視する大切さをひねりが効いたユニークな脚本で作り上げたロマコメ。
魅惑的な女性が3人登場する中、
誰を選ぶかを見るとアレンの決意のようなものが透けて見えるようだ。
ノスタルジックさをかもし出す温かみのある色合いも効果的で、キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、レア・セイドゥなどキャストも豪華。
史実の人物や美術品など多く登場するため、文化や芸術の知識があるともっと楽しめるかも。
それにしてもパリでは《大気中に含まれる水蒸気が何らかの理由で地上に落下する現象》でさえロマンチックである。
5月 26日より公開
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